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「24のプレリュードとフーガ」新作発表会 第二回目 無事?終了
先月の29日、「24のプレリュードとフーガ」新作発表会、第二回目。無事終了いたしました。大勢の方にいらしていただきまして本当にありがとうございました。途中、(大?)ハプニングがあって演奏が中断するという事態になりましたが演奏者の方々の集中力とお客様の寛容さによって救われたと思っています。ありがとうございました。
事情を説明すると来日中のアメリカンクラーベの主宰者キップ・ハンラハン氏が観に来てくれたのですが、彼の到着が遅れに遅れていました。演奏が半分くらい進んだところでこの演奏会をバックアップしてくれていてキップ・ハンラハン氏の来日のコーディネーションをしているEWEのT氏が「キップに是非この演奏会を聴いてもらいたいので少し休憩します!」と突如宣言。「おぉ、なんだなんだ」と言っている間に休憩タイムに入ってしまいました。一人の都合でこんな事になるなんてと思われた方もいらっしゃると思います。僕もそう思いました。実はキップ氏の到着が遅れていることは知っていました。僕自身の気持ちとしては勿論(キップ・ハンラハンに限らず)一人でも多くの人に聴いてもらいたいと思っている事に変わりはありませんでした。遅れていると聞いたときも「でもしょうがない。一人のために開演を遅らせるわけには行かない。定刻で始めよう」と思い実際そうしたのです。
突然の演奏中の休憩宣言(勿論曲と曲の間ですが)に「一人のために中断するわけにはいかないです。このまま続けます。」と言うべきだったのですが、そのとき一瞬「おっ、これはこれでおもしろいことになったな」と思ってしまったことも事実でした。「皆様の寛容性に甘えてしまおう、そんな演奏会無いもんな。」と思ってしまったのです。皆様済みませんでした。(休憩中お酒を振る舞わらせていただいたのはせめてもの気持ちの表れでした。)
...と言うことが顛末だったのです。
(誤解を恐れずに言えば、)僕は中断して良かったと思っています。演奏会が、特に新作の演奏会、という物がともすれば日常と隔絶された環境でキチンとしたタイムスケジュールに乗っ取って遂行され、その事によりある種の威厳と格式が保たれる、という形より、僕は音楽がより日常の中で聴かれてゆく事を望むのです。(そのために耳心地の良い物を作る、と言う意味ではありません。もちろん耳心地の良い物も好きですけど。)そのためにはこういった個人的な都合が図らずも介入してしまうような空間で聴かれるというのはまさに望むところなのです。
きっと昔のヨーロッパのサロンなんかで新作発表コンサートが行われていたときはこんな雰囲気もあったのではないでしょうか。「今日はカトリーヌが遅れるらしいよ。じゃあもう少し待とうか...。その間コーヒーでも飲みましょうよ。」...というような。
勿論コンサートホールでの演奏会を否定しているのではなく、また非コンサートホールでの演奏にこだわっているなんて言うことでもなく、今回たまたま始まったこの連続演奏会にとってはこのフレキシブルな環境を生かしてしまおうという意図なのです。今、演奏会を行っている場所は「BAR BOSSA」という渋谷の町中にあるワインバーです。
会場を提供してくれているバールボッサの林さんが日曜のその時間に楽器の音を出すと言うことで近所に挨拶をしてくれて近所から大きな音が出ないようにお願いにまわってくれていると言うことを知りました。そういった行動一つ一つがこの演奏会を大きく意味づける核になっていると思います。
感謝。
改めて、今回のこと聴きにいらしてくれた方々に感謝すると共に第三回目に向けて作曲を開始しようと思います。
次回は6月の日曜日になります。
ちなみにキップ・ハンラハン氏はといえば、無事に到着し残り半分の演奏を聴きまして、その終演後はお客様が皆帰られて店じまいの時間もかなりすぎた後まで大いに語りあいました。とはいえ訛のきつい強力なニューヨーカー英語ですから通訳してもらいつつ、僕は英語は苦手な方なのでキップが一方的にしゃべくりまくっていましたが...。